抗菌薬

臓器移行性を考慮した抗菌薬の選択—(2)前立腺感染症

以前、感染症の臓器移行性について書きました。 臓器移行性を考慮した抗菌薬の選択ー(1)中枢神経感染症() 今回は前立腺移行性について解説していきます。 前立腺感染症 前立腺の感染症、特に急性細菌性前立腺炎は重篤な状態に発展する可能性がある疾...
微生物

国内で劇症型A群β溶血性連鎖球菌が急増中!知っておくべきこと

ここ半年で、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の症例が急増しているのをご存知ですか?今回は、この重要な感染症のトレンドについて、2024年6月の国立感染症研究所の報告()をもとにわかりやすく解説していきます。 STSSの急増! 202...
感染症

日本における梅毒の治療

前回梅毒の血液検査の結果の解釈についてまとめました()。 今回は梅毒の治療について書いてみたいと思います(神経梅毒の治療については触れません)。また日本における梅毒治療の経緯についても触れてみたいと思います。 梅毒の治療(神経梅毒は除く)は...
微生物

梅毒血清反応検査の解釈 完全ガイド

梅毒はトレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)というスピロヘータによってひき起こされる性感染症です。この病気は長い歴史を持ち、古くから様々な社会的影響を及ぼしてきました。しかし、現代においても診断の難しさが依然として課...
ジャーナルクラブ

2023年に発表された必読!の感染症分野の論文(@ESCMID Global 2024)

以前、米国感染症学会が発刊する雑誌における注目の論文()をご紹介しましたが、今回は2024年バルセロナで開催された欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID Global 2024)の中のセッションで、Year in Infectious Di...
微生物

腸球菌(Enterococcus sp)にダプトマイシンを使う際の注意点

以前、腸球菌の持続菌血症に関する文献をご紹介しました.。() そこでも触れましたが、腸球菌に対する治療は、薬剤感受性試験の結果に従ってアンピシリンもしくはバンコマイシンを使用することが一般的かなと思います。またEnterococcus fa...
ライフハック

最近読んだお気に入り本 Part1

たまには感染症から少し離れて軽い話題を。 皆さんは普段はどんな本を読んでいますか? 小説や新書なども良いですが、Dr.MONは最近、実用書をよく読んでいます。 なんだか仕事の量やバリエーションが増え、自分のことばかりに時間を使えなくなったり...
症例

症例検討@欧州微生物感染症学会(Knee-buckling curveball)

2024年 4月27日から4月30日まで バルセロナで行われたESCMID Global(に参加してきました。 日本のほとんどの学会は、登録した演題はすべて採択されますが、この学会の演題の採択率は約70%とのことで、私自身もバルセロナに行き...
微生物

2024年WHOが警告!新たな耐性菌リストを発表

世界保健機構(WHO)は、“Bacterial Priority Pathogen List (BPPL) 2024”薬剤耐性をもつ危険な細菌のリストを更新しました。 このリストは、現在問題となっている抗菌薬耐性菌(AMR)の蔓延を阻止する...
感染症

コモンディジーズとしての感染症アップデート 

年度替わりで職場を変わられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 先月2022年度の医師数統計が公表されました。 全国の医師数は34万3,275人で、前回調査(2020年)に比べ1.1%増加しているようです。医療施設に従事する人口10万対...